「みんなボラは臭えっち言うけど、全然臭くねぇんじゃ!」と家族に強く言ってきかせ、ならば刺身を推すのかと思いきや、「ボラはフライが一番うめぇんじゃ!」と、自分はもっぱらフライを好んで食べるという旧友Y君のお父さん。なかなかの曲者だ。
「ボラはフライが一番うめぇんじゃ!」の巻
Y君の地元は大分。チヌのフカセ釣りトーナメントが行われる聖地・佐伯があるところです。水が綺麗なところだけに当たり前にボラを食べるのだそうですよ。
さて。ボラです。チヌの使者。通称ぼーやん。さすがに最近は掛けてしまうことは減りましたが、チヌ釣りを始めた頃はよく掛けてしまって腕がパンパンになっていたものです。バス釣りをする人にとっては、バスの卵をバクバク食べちゃう悪者だそうな。
食べたこと有りますでしょうか?ボラ。
外洋とか水の綺麗なところのボラは美味しい。そうでないところのボラは・・・というのが定説ですね。河口のボラは食べれたものじゃないとか。ぶっ飛んだ質問&回答で常に話題を提供してくれる「Yahoo!知恵袋」にも質問がいくつか出てますよ。
ボラの食べ方を教わる。
僕たちのホームコート、鳴門・堂浦。水が綺麗なことは知っていましたが、いざ掛けてしまったボラを食べるか?となると躊躇していました。ボラの刺し身?美味しいのかどうかわからないボラさんの命を奪って持って帰って、不味かったりした日にゃ、大量の生ごみが出て困ることになります。ぼーやんも浮かばれません。
※ 谷井渡船さんは2020年5月で閉業されました。
そんなこんなで釣り上げたボラさんは即座にリリースをしていたわけですが、2010年のある日、おなじみの谷井渡船さんでの納竿後、ベテランっぽいおじさんのスカリを見せてもらうとボラが3本も入ってる。
「ボラですね!食べるんですかー」
「堂浦のボラは美味しいんですよ。良かったら1本持って帰りー。」
ということで、頂いちゃうことになりました。洗いやフライにするとうまいことと、「へそ」を捨てずに取り出して塩焼きにすると珍味なことの2点を教えてもらう。ワクワク。
マダイと偽って出荷してる悪者もいたそうな。
家に帰って丁寧に捌き、洗いに。「ボラのへそ」も教えてもらった通りに取り出す。巨大なそろばんの玉のような形をしている。砂が入っているのを取り除いて塩焼きに。
一体どんな味なのかとても楽しみだったわけですが、そんな特別な味がするわけはなく、普通に美味しい。
イメージを伝えますとですね、マダイに似ています。身も綺麗で、臭みも全くなく。美味しい。昔はこのボラをマダイと偽って売ってたりする不届き者がいたそうな。確かに切り身にされちゃうと見分けつきませんね。今度、嫌いな上司にでもやってみてはいかがでしょうか?
マダイと食べ比べをしたらそりゃ当てる自信はありますよ。僕は。ボラの方が、少し甘みが足りない気がします。でも、Y君のお父さんの言葉、ホント。臭くはない。
「ボラのへそ」は焼き鳥の砂ずりに似た味。コリコリしててお酒のアテに持ってこいです。
すっかり味をしめちゃいまして。それ以来、お魚をたっぷりと食べたいときは、1本はキープするようにしています。洗い・カルパッチョ・フライなど、食卓を賑わしてくれることになりました。
三重、高知のイカダで釣れるボラも、食べると美味しいとのことですよ。チヌ狙いでボーズを食らっても、全くの手ぶらで帰るよりボラを持って帰って料理すれば、2日は色々楽しめますよ。おすすめですよ。そこの奥様。家計も助かるですよ。
ボラを狙え!
堂浦で「お土産確保作戦」でボラを狙いたいとき。オキアミを挿し餌にして、ダンゴから10センチほど出します。いわゆるL字釣法です。道糸は張り気味で。ダンゴが割れても穂先を下げず、ワザと仕掛けが少し浮いちゃうようにします。
その後の「他の釣り場でのチヌっぽく」穂先を押さえこむあたりに合わせれば、見事にボラが釣れると思います。
あるいは、サナギのかけらを挿し餌にして、これまたL字釣法。こちらはダンゴの割れを確認せずに、「ん、吸い込んだな?」という引っ張るようなアタリでエイヤで合わせてもいいと思います。
スイカさんの実家に持って行こう!美味しいから食べてもらおう!なんていざ狙うとプレッシャーで釣れなかったりするんですが・・・
一方、堂浦のチヌの釣り方はというと・・・未だもって分かりませぬ ><
おしまい。